







野田訓生
1962年生まれ。福井県出身、福井県在住。多摩美術大学美術学部芸術学科卒業、筑波大学大学院芸術研究科(修士課程)総合造形コース修了。金津創作の森美術館長。福井県文化振興事業団文化芸術アドバイザー。前福井県立美術館副館長。
野田訓生の本企画への〈臨場〉は重要な役割を担っています。<臨場〉の特質として、監修者であり参加作家でもある長谷光城は、作家ではない評論家や批評家の参加を当初から構想しています。アーティストや観客の中に、批評的な視点を持って常に共存することは、類例のない試みといえます。作家たちが制作する現場から適度に離れた2階のスペースに小さな仕事机を構え、カメラを手に自由に会場を行き来しながら、観客や作家と語り合い、時には作家の制作に手を貸して、つかず離れずの距離感をもって制作現場の観察を続けます。その成果は記録集として刊行される予定ですが、ここでは、10日間の制作のプロセスを記録した写真が展示されています。
ボードワン・ヴェール
1991年生まれ。フランスのミュールズ出身、パリ/ストラスブール在住。2011年リセアンリ4世文学系準備課程(仏)卒、2014年パリ・ソルボンヌ大学現代哲学修士課程修了、その間に、ストラスプール国立劇場学校演出・ドラマトゥルギー専攻(仏)卒、ドキュメンタリー映画のため音響制作研修。
ダフネビイガ・ヌワナク
1991年生まれ。フランス出身、パリ/ストラスブール在住。2011年ランス演劇学校卒(仏)、2015年パリ高等社会科学研究院哲学修士課程(仏)修了、2019年ストラスプール国立劇場学校(仏)卒、2023年から1年間、アトリエ・ヴァランでドキュメンタリー映画制作研修。2025年には、フランス批評家協会年間最優秀新人賞を受賞。
ダフネ・ビイガ・ヌワナクとボードワン・ヴェールは、舞台、音楽、ダンスの分野で共に作品を制作しています。本年は京都にある「ヴィラ九条山」に滞在し、「瞽女(ごぜ)」をテーマとした作品のためのリサーチを行っています。瞽女とは、江戸から昭和にかけて、三味線を弾きながら唄や語りを披露して日本の各地を巡り歩いた、目が見えない女性の旅芸人のことです。瞽女たちが巡ったであろう、街や家屋敷の風情を遺したこの熊川宿への〈臨場〉は、ヌワナクとヴェールにとって重要な意味を持つものです。瞽女を題材とした小説もある、おおい町出身の水上勉とその記念館若州一滴文庫の発見や、瞽女にゆかりの深い人物とも出会いながら、地域の”音”を採取して、作品の構想を練り上げていきます。<臨場〉最終日に披露された舞台は、瞽女というテーマを考慮して、演劇では重要な要素である視覚的効果は控えめになり、地域の音や語りを素材としたヴェールの音響と、ヌワナクの静かな語りかけによって、熊川宿と瞽女が結び合う作品となっています。(野田訓生)












