福井の若手作家五人展

3月3日~3月27日 金・土・日・月・祝日







寺根千尋 TERANE Chihiro

1993 福井県高浜町生まれ
2011 福井大学教育地域科学部美術教育サブコース入学
2016 福井大学美術科卒業

「かわいい」という心地よい侵略はまるで耐える必要のない苦痛。それを絶えず増殖していくのに気がつきもしないまま私の身体は蝕まれ、麻痺していく。その身体に触ってみるように、日常で感じたことや記憶などを、動物をモチーフに粘土で表現している。

松宮史恵 MATSUMIYA Fumie

1996 福井県生まれ
2018 福井大学美術教育サブコース 卒業
2020 同大学大学院美術教育専攻 修了

日常生活で出会った、朽ちた建造物や廃棄物が主なモチーフです。それらが経た年月や、其処はかとなく漂う人々の痕跡を想像し、銅板に刻むようにして描いています。

中嶋千智 NAKAJIMA Chisato

1992 福井県坂井市生まれ
2015 福井大学教育地域科学部美術教育サブコース卒業
2015 宮本三郎記念デッサン大賞展(山本容子賞受賞)

昔から「かっこいい」モノが好きでした、カラフルでキラキラしているよりも、モノクロでシンとしている方に魅かれます。その空間に少しの緊張と安心を感じる、そんな作品を目指しています。

蟻塚知都 ARIZUKA Kazuto

1997 福井県福井市生まれ
2019 国立台湾藝術大学にて木彫アトリエ交流
2022 福井大学教職大学院 修了
2017 第25回木彫フォークアートおおや兵庫県知事賞受賞(兵庫県養父市)
2021 ゲストハウス「荒島旅舎」に作品提供
2022 田中佑典肖像「歩く男」制作

私は「人間の歪みや傾き」をテーマに彫刻を制作している。それは私にとって人間について考える実験のかたちであり、自身もそれを見る人もその実験を体感することで、「人間とは何か」という問いを考え続けることを期待している。

明城千佳子 MYOJO Chikako

1987 福井県生まれ
2010 福井大学美術教育サブコース 卒業
2012 同大学大学院美術教育専攻 修了
2012~大原学園福井校(福井情報ITクリエイター専門学校) 常勤講師

朽ちると同時に次代への種子をのこす植物を「生と死」の象徴として描いています。
その生の一瞬を切り取って表現することは「今、ここに存在している」という事実の記録です。植物の有機的な形態を、心地よい色を探りながら表現したいと考えています。


第10回 いのちかがやく子ども美術全国展

選抜展 in WAKASA 2023 開催中

2023年1月8日~2月6日  金・土・日・月・祝日

子どもたちは小さな原始人として感覚総体のリアリズムで絵的思考の中に生きます。自然に抱かれ、自然素材と遊ぶ「ふるさと体験記」を十分に楽しめば、創造溢れる造形活動と絵を生み出します。天才アーティストとしての子どもたちの美術表現をお楽しみ下さい。


きらりアート展 2022  開催中

2022年10月30日(日)~12月25日(日)

「きらりアート展」は福井県在住の障がい者や特別な支援を要する人や児童たちのアート作品の公募展です。
一般の部の入賞作品を当美術館で展示、紹介いたします。純真でハートフルな表現をお楽しみ下さい。




logo

西井武徳 展


西井武徳 Nishii Takenori

略歴
1978 福井県福井市生まれ
2004 文星芸術大学彫刻科卒業
2006 多摩美術大学大学院彫刻専攻修了

出展歴
2005 多摩美術大学×武蔵野美術大学 合同石彫展
2018 越後妻有アートトリエンナーレ 里山動物園
2019 県立美術館開館40周記念企画展 Reborn展


岡本隆多 展 & 武田千香 展


武田千香 展


武田千香 たけだちか

宿舎の仲間の美術活動に刺激を受けて、自分で購入してきたクレパスを使って、畳の上に画用紙を置き、畳の柔らかさを楽しみながら絵を描き始めた。
画家・草間弥生を真似て、赤毛のかつらを着け、絵かき気取りで気持ちを高めて「千香ちゃんワールド」を浸って制作に没頭する。題材は、今は亡きやさしい父母のもと過ごした温かい家庭生活を思い出し、体験した行事を懐かしみながら語り、絵に描く。
仕事が休みの日には、自分の部屋でコツコツと終日、制作に取り組む。絵を描くことが彼女の喜びとなっている。

1977年生(昭和52)若狭町在住
2014年 第5回きらりアート展 きらりアート賞
2015年 第6回きらりアート展 きらりアート賞
2016年 第7回きらりアート展 きらりアート賞
2017年 第8回きらりアート展 きらりアート賞
2018年 きらりアート展6人展(熊川若狭美術館)
2019年 第10回きらりアート展 きらりアート賞
2020年 第11回きらりアート展 きらりアート大賞


岡本隆多 展


岡本隆多 おかもとりゅうた

1996年生(平成8)若狭町在住

制作前はいつも同じルーティンを繰り返す。そひて絵具をパレットにたっぷり出し、次いで先の整った細筆と中筆を選び、筆洗の水で筆を湿らせ、雑巾でいらない水分を取り、絵の具をつける。イメージがわくと、ゆっくり丁寧に几帳面に、筆先をキャンパスに置くように描き始める。描く事柄は、日常生活で見たり食したりした体験をもとに、食べ物、仕事、天気のことなどが多い。

2011年 第2回きらりアート展 審査員特別賞
2012年 第3回きらりアート展 きらりアート賞
2016年 第7回きらりアート展 きらりアート賞
2017年 第8回きらりアート展 若狭町社会福祉協議会長賞
2020年 第11回きらりアート展 きらりアート準大賞
2021年 第12回きらりアート展 きらりアート賞


空間とマテリアルの協奏曲 ~長崎の作家たちと長谷光城


長崎大学井川研究室卒業生による現代アートグループ「RING ART」の作家、井川惺亮、中田寛昭、野坂知布、波多野慎二、廣岩裕香に若狭の作家、長谷光城による6人展を開催いたします。「RING ART」は2010年から〈アートと国際〉、〈アートと平和〉、〈アートと子ども〉をテーマに美術文化運動を果敢に展開しています。
長崎と若狭の出会いは、2019年の「2019 Summer 6:six Crash」展(熊本県立美術館分館)、「2019 Autumn 6:six Crash」展(熊川宿若狭美術館)に井川と長谷が出展し交流が始まります。RING ARTが主催する2021年の「春風ながさきよりXXⅢ」展(長崎ブルックホール)に長谷が招待出品をうけ、関連イベントとして開催されたシンポジウム「子どもアート」のパネラーを井川と長谷がつとめ、更にギャラリートークも行われました。
被爆77年を迎える今夏、若狭の地で、各作家が提示する異空間のせめぎ合いのなかに身を置き、アートの力と人類が希求する平和を考え、あわせて地方で取り組む現代アートグループの美術文化運動の今日的意義を問いたいと思います。



田中さかえ 展

喜怒哀楽が行動に出てしまう素直な性格ゆえ作品制作に波があったが、ちいさな木片を貼り詰めるレリーフ作品に取り組んでからは、緻密な作業に集中して大作に挑み、ほぼ1年がかりで仕上げます。その間、完成へのイメージに向って、形状とサイズが異なる木片を選んで、手先の動きと共にリズム感を高めながら、広い平面に方形の立体を配する明快な構成をつくり上げていきます。
床に置かれて制作された立体が、壁に掛けられることによって、レリーフ(半立体)作品として軽やかな空間を提示しました。そのことを受けて、彩色や円形での政策に広がっています。


2011 第2回きらりアート展 きらりアート賞
2012 第3回きらりアート展 審査員特別賞
2014 第5回きらりアート展 特別賞
2015 第6回きらりアート展 きらりアート準大賞
2016 第7回きらりアート展 きらりアート大賞
2016 「きらりアート4人展」 光水画廊
2017 第8回きらりアート展 きらりアート準大賞



下﨑滋彦彫刻展


個展に寄せて 下﨑滋彦

新雪に踏み入るようなここちよさ。しかもひとりではなく。

調和と違和感の境界に立つかたち、それが私の彫刻制作の主題です。
笏谷石・木片・鉄金具、違素材の不協和音と一つの生命を模した像の調和(カノン)。その旋律の模索。丁度良く人や動物の姿に見えたり、ミリ単位でバランスが崩れる瞬間に真新しい造形の力が宿らないかと探しています。

笏谷石はとってもおしゃべりです。
小砂利は邪魔するし、想っても無いとこで直ぐ割れたがります。
でも、緑がかったパステル調の色味と落ち着いた静かな呼吸をしているような質感に魅力を感じ、制作しています。
火山灰が降り積もり、とてつもない永い時間に押し潰されて固まった石。
その昔、越前青石と呼ばれ、北前舟に乗っかって全国各地に流通していた越前福井の特産品。
安土城建設時、北ノ庄城主柴田勝家が織田信長に献上していると文献にもあります。
もっと昔の古墳からも埋葬品として発掘されたりもしています。
街なかを歩いていると塀や敷石、墓石としてよく使われているのを見かけます。
守ったり鎮めたりといったエレメントを感じる素材です。
私の制作もこの素材感に引っ張られるようにして形が見つかっていきます。
なかなか乱暴な表情にはなりたがらずに、悟されているような笑みが浮かびます。
造りたい形と石がなりたがっている形。
対話の末に調和や魅力にならないかなぁとおねだりしている今日この頃です。

積み木のような見立ての面白さが出たらなぁと積み上げては崩し積み上げては崩ししています。どうしても顔や手を乗せると人の姿が浮かびます。そのピッタリはどこか,ギリギリはどこか,見立ての気持ちよいところの正体をつかまえたいです。
鉄金具はベクトルの顕在化、内在している力の方向性が説明できるのではと考えています。
さびは時間の経過、物語の風化。

このシリーズを[祈りの誤差]と名付けました。
木屑や石塵にまみれながら「造ること」は、「祈ること」ととても似ているなぁと感じていて、良くなれ良くなれと願いながらひと彫りひと彫り探してます。そして叶う時ってピッタシそのまま叶わないんじゃないかなぁと。自分が想い描いている形と、素材が成りたがってる形が重なって魅力ある作品になるのではと。

長い距離を歩み通すとき、アフリカの子どもが手している道具って楽器なんですって。
夢中が想いもよらないところまで連れて行ってくれる。
よたよたの青二才が「何か造りたい」って想い立って彫刻を選んでから、
随分遠くまで連れて来てもらえたな思っています。(こうして皆様ともお会いできました…)

悪意から遠のいたのだ。
振り返ると闇雲さにぞっとしながらも。
媚や諂い、仄かな悪意から年々遠のいているように思う。
笏谷石を削りながら、私自身も彫刻してもらえてるようです。

像に求めるのは真新しい秩序。未知の知。

締め切り直前まで、積み上げては崩し、積み上げては崩し…
見つけるまでは焦りに押しつぶされて、この世のすべてを呪うように彷徨い、枯れ果てて…
見えたッ! つかまえたッ! と、その瞬間にあふれだす多幸感。
夜ふけ美術準備室でひとり、吠えたりしています。

もしかしたら神さまに好かれてるの?
世界中のすべての人に感謝しはじめてる。
四十五過ぎても自分にあらたな可能性を感じてしまうって幸せなことだなぁとお裾分け。
幸せを感じ取る力を鍛えるの? 美術って?

未来の結晶(=生徒等)の前でふんぞり返って、のた打ち回って、
物質社会にあおられた価値観の、その眼から鱗を落としまくってやらねばと、
また夜ふけの美術準備室でひとり、蒸気を噴き出している。



下﨑 滋彦 shimozaki shigehiko 略歴

1974 東京都小金井市 生まれ
2001 東京造形大学彫刻専攻卒業
2003 筑波大学大学院修士課程芸術研究科 彫塑専攻修了
2004 結婚を機に奥様の出身地、福井県に移住
現在 北陸学園中学校高等学校勤務

◆個展  2022 ギャラリー暁・銀座
2016,2019,2021 ギャラリーサライ・福井市
2011 E&Cギャラリー・福井市
2010東京芸術センター・北千住
◆グループ展
2022 ふくいアートアタック報告会「下崎滋彦・福田裕理展」(AsCギャラリー:福井)
2021 明日を担う若手作家による若狭路美浜現代美術展(美浜町なびあす)
2017-22究展(福井県立美術館)
2014-22新彫会(福井県立美術館)
2011-20 BJ美術準備室展(福井市美術館,金沢21世紀美術館,海岸通ギャラリーCASO)
2002金属作家新鋭展(Metal Art Museum:千葉)、他
◆公募展 日本芸術センター第1回彫刻コンクール 審査員賞
プレフェスタ国民文化祭 実行委員会会長賞
第59回福井県総合美術展 大賞
第60回福井県総合美術展 60回記念賞
第22,23回市美展ふくい 市長賞
第22,23回美浜美術展 入選
第3回佐野ルネッサンス鋳金展 入選、他

作品リスト